2021.10.10 05:53世界三大メーカーの謎「ベヒシュタインは世界三大ピアノメーカーの一つです」とカタログやチラシにある文言、普段あまり気にもしないでお客さんとも話しているが、いったいいつ、誰が言い始めたのだろうか?よくあるのは、ベヒシュタインを日本で売り込むために、メーカー主導で用いられたというケース。結論から言ってしまうとこれが一番有力説ではないかと私は思う。私が大学を出たころ...
2021.08.23 02:57ドイツ的なもの元書店員だからというわけではないけれど、読書が趣味で、ここ15年ほど「年間100冊(漫画や雑誌は除く)」を目標にしています。ぎりぎりの年もあれば150冊を超える年もあります。 新作だけではなく、中古だったり、図書館を利用したり、昔読んだ本を読み返すことも。そんな時に小塩節氏の文章が目にとまりました。以前は読み飛ばしてしまっていた箇所も、今...
2021.08.16 05:26継承ドイツと日本の教育制度の違いで、ピアノ製造の技術者を志すドイツの若者は比較的若いタイミングで職業訓練をスタートするのが一般的だ。ドイツは日本でいう小学校4年生で次のコースを選択する事になる。大学進学を目指すギムナジウム、工業や商業などの専門家になる為の企業研修を16歳からスタートするレアルシューレ、工業や商業などの専門家になる為の企業研修...
2021.07.13 04:10経験‐2タイヨームジーク・ピアノ部門の日本メーカーのブランドTOYO(日本ではApollo)の輸入は、為替レートの理由で中断されていたが、私の在独期間中円安に転じた事があり、数コンテナであったが輸入を再開した。Royaleと比較すると楽器自体の完成度は高く、機能品質によるトラブルは稀だったが、響きや音色に対するディーラーからの要求は、相変わらず強...
2021.06.27 00:32試行錯誤の先に「ベヒシュタインは、ほぼすべてが試作品と言ってもいいんだよね」と、社内でよく話しになります。その意味は、常により良くしようという考えに基づき、1台1台が同じモデルであっても少しずつ違いがあり、それが個性であり、必要なものと認識されているということです。そして、「楽器はコミュニケーションツールだから、他人のものと同じであってはいけない」とい...
2021.05.18 00:35経験1989年9月ドイツに渡った私は、ドイツ語で普通に会話ができないとベヒシュタイン工場での作業は難しいということで、当時Düsseldorf近郊Hilden市にあった、現ベヒシュタイン・ジャパンの前身タイヨー・ムジーク・ジャパンの親会社であるタイヨー・ムジークのピアノ部門で、韓国の大宇が製作するRoyaleの出荷調整、そして、ドイツのディー...
2021.04.17 05:46クレモナの名器にも喩えられるピアノ『ベヒシュタインは、ピアノにおけるストラディヴァリウスやアマティである』、この表現でベヒシュタインがどういう楽器かを想像できる方は、クラシック音楽をよく聴いている人だろうか? 大ピアニストで指揮者でもあったハンス・フォン・ビューローが言ったとされるが、ストラディヴァリウスやアマティを知らないとベヒシュタインがわからない、というこの言葉に2...
2021.03.11 00:47回想1988年10月、 26歳の私はまだ壁があったベルリンにブリティッシュエアで降り立った。当時はドイツのルフトハンザ航空は西ベルリンには飛んでいなく、そのほかは戦勝国のアメリカのパンナム、フランスのエールフランスがこの地に向け飛ぶ事ができる航空会社として限定されている時代だった。今から思えばまるで、スクリーンに映し出さるような異時代の出来事...
2021.02.10 06:00ベヒシュタインの王冠「箔をつける」という表現が日本語にあり、貫禄が増すとか高い値打ちがつく、評価が高まるといった意味で使われます。ドイツ語でこれをどう言うのかを辞書で調べてみたら、”krönen”=「王冠を戴かせる」と出ていました。王冠は、ヨーロッパは言うに及ばず、日本でも人気があります。インターネットで探せば無数に王冠を採用しているロゴがあります。キリスト...